気力があれば何でもできる! が、その気力を奪うのが酒さんというところのものでありまして。

酒やめて、1916日。

男女7人秋物語

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高木は評判悪かった!

我々世代にとっては、単に大ヒットドラマということを超えて、世代のアイコン的なドラマだったものに『男女7人夏物語』があります。今の若い人でもタイトルくらい聞いたことはあると思われます。明石家さんまさんと大竹しのぶさんの出会いと結婚(そして離婚)のきっかけとなったドラマですね。その後の、いわゆるトレンディドラマ(死語)のテンプレートとなった、複数の男女が入り乱れて恋愛模様を繰り広げるストーリーの元祖でもあります。

その続編に『男女7人秋物語』というのがありまして、男女7人のうちの1人に「高木」という人間がいます。こいつは評判悪かったです。演じたのは山下真司さんですね。なぜ評判悪かったかというと、今でいうところの完全な脳筋でデリカシーがないからです。なんでも高木の人物造型は、その前に山下真司さんが主演を務めた『スクール☆ウォーズ』の滝沢監督からヒントを得たらしいのですが、いや、それは違うでしょうよ、というのが高木をよく知っている(?)者の感想です。山下真司さんが地方に行ったときに、女子高生から「高木~、評判わるいっぺよ」と言われたのも有名なエピソードです。我々世代にとっては。

その高木のキャラを象徴するシーンとして、『男女7人秋物語』第一回で高木が主人公の良助(明石家さんま演)と貞九郎(片岡鶴太郎演)と偶然再会し、飲んで貞九郎の部屋に泊まった翌朝、起き抜けに体操しているというものがあります。良助は二日酔いなので、当然ながら「なんやねん」になるのですが、それは視聴者も同じでした。二日酔いの朝に体操できる神経が信じられなかったからです。

気力が奪われないとは、なんと素晴らしいことか!

でも今は、高木と同じことを私はやっています。起き抜けに軽い筋トレを毎朝やるのです。そうするとなんとなく気力が湧いてくることがわかっているからです。私も齢なので気力減退というのがありまして、そうやって奮い立たせるわけです。飲酒時代だったら、ここで一本ストロングゼロでも、と思っていましたが(苦笑)。

でもまあそれは奮い立たせる、つまりプラスアルファの気力を得るためで、起きるときに絶望的な気分にはならずに普通に起きられるようになったのが、やはり酒やめたからの収穫です。高木さんのように無駄に気力横溢というまではいかないけれども、普通に世の中に出て行こうという気にはなります。

何かをやろう、人生立て直そうと考えるときには、やっぱり気力というものが時間とともに原資になります。そして酒は時間を奪うということはいつも書いている通りですが、当然のごとく気力も奪います。気力強奪が時間強奪と違う点は、気力を奪っておいてそれを再び湧き立たせるためにわいが欲しいんやろ~と囁きかけてくることです。マジ悪質ですよ。

それにしても、まあほんとに気力さえあれば何でもできる、不安な明日にも立ち向かっていける……という点が、綺麗事のようですが酒やめてからのまったく新しい感覚ですよ。この一点をもってして、やっぱり酒やめて良かったと思う次第であります。これから加齢によってますます気力減退する『男女7人』大好き世代はとくに。

逆に言えば、なんとなくいろんなことにやる気が出ないという人は、酒をやめてみるのも一つの方法かもしれないですよね。『テラスハウス』世代であっても。

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