酒やめて、1234日。
ここのところずっと博多です。そして博多はバスの街と言ってもいいほどです。主要路線なら同じ行き先のバスが5台ぐらい連なって来ますもんね。めちゃ便利です。福岡県はほぼ西鉄バスモノポールと言ってよく、その年間輸送人員は日本一だそうです。ちなみに2位はカナチューこと神奈川中央交通だとか。
緊急事態宣言下のほうが「よかった」!?
というわけでバスが便利なので、客先にバスで向かっていたところ、おばば様二人組がこんな会話をしていました。
「渋滞ねー」
「渋滞するようになってしまって、前のほうが良かったよ」
「前のほう」とは自粛当時のことで、この会話を聞いたのは、ちょうど緊急事態宣言が解除され世の中が動き出したときでした。
私は思いました。世の中にはコロナ自粛を心地よく感じていた人が一定数いるのだと。コロナで収入が減らない人はそうですよね。もちろん感染リスクはあるけれども、人が少ない街を快適に感じていたのでしょう。
しかも今回のコロナ危機は命に関わる問題なので、自粛が錦の御旗になっていました。経済回せとはなかなか言えない雰囲気があったことは皆さんも感じていたことと思います。しかし経済が回ってもらわなければどうにもこうにもならない層もまた一定数いるわけで、私なんか定収入皆無のフリーランスなのでまさにそうです。
でも問題は、経済回らなくても別に困らないという人が、今の日本ではかなり多くなっているという点です。年金生活者と公務員が中心なのでしょうけれども、この人たちは必ず選挙に行きます。
で、今回、既視感が半端なかったわけですよ。民主党政権時代の超絶不景気な時でも、「不景気の何が悪い物価安くてえーやん」な人は確かにいましたからね。そして繰り返しますがこういう人の絶対数は多いのです。日本においては。
「経験」して「発信」する!
やっぱりそれが日本の悲劇だと思いますね。経済回らなくてもいいという人が多いなら、そしてそういう人が必ず選挙に行くのなら、そら、なかなか経済成長できないでしょ。結局のところそれが、世界の先進国の中で唯一と言っていいほど停滞している要因になっていますよね。日本は、世界の発展から置いてけぼりをくらっています。
で、そのツケがどこに行くかというと今の若者や将来生まれてくる子どもたちです。賢い人はそれがわかっているから、子どもをつくらず、ますます状況は悪くなるといった構造ではないでしょうか。
そして低成長あるいはゼロ成長が、主に若者たちの可処分所得を少なくし体験レスをもたらし、結局、ストロングゼロをはじめとした酒しか楽しみがないというふうな社会になっています。
だって今の新入社員の手取り額とか、我々バブル(ちょい前)世代ジジイの新入社員当時と変わらないですもんね。そして我々世代は残業代が半端なかったですし、飲み会で金を払うことも滅多になかったので、可処分所得額は今の若者よりもずっと多かったと思います。まあその分、ときどき麻雀で先輩社員からケツの毛まで抜かれてましたけど。
ともあれ、こんなふうに日本の停滞が構造的なものである以上、ますます酒飲んでる場合じゃないと言えそうです。
そして飲まない分、体験を豊かにし、それを発信することで、何とか収入を補う、あるいはこの停滞感に楔を打ち込んでいきたいものだと思いますよ。本当に。