酒やめて、2740日
細マッチョの中国人富裕層を見かけるようになった
先週、仕事があまりにも暇なので、青春18きっぷを使って関西方面に乗り鉄に行ってきました。目的は「南海汐見橋線」と「西園寺さん大推薦・近鉄奈良線からの絶景」と「三岐鉄道北勢線(ナローゲージ鉄道))です。最後の一つは日程の都合で果たせず、次のお楽しみということで。が、ついつい、次ってあるのかなあと考えてしまうところがジジイの悲しいところではあります。
さて、今回泊まった安宿に隣接して日本有数の都市型高級リゾートホテルがあったおかげで気づいたことがあり、それがタイトルです。もしかしたらマーケティングとかそういう世界では常識なのかもしれませんしエラソーに主張することでもないのですが、個人ブログなんで勝手にやらせていただきます。
今まで日本にやってくる中国の富裕層のルックスといえば、たとえばPLAYコムデギャルソンのTシャツ、ヴィトンのメッセンジャーバッグ、ギラギラのロレックスみたいな感じだったと思います。偏見かもしれんが。ともかく、そういう人が目立ちました。そして体形はデブが基本のように感じていました。
でも今回、何人か目撃(?)したのは、スニーカーはたぶんグッチなどだと思うのですが、気品ある高級オーラを出しているもので、ジーンズもブランドはわからないけどたぶん高級品なんだろうなあというもの、シャツも同じくという感じで、男性の場合、要は雑誌『Safari』に出てくる細マッチョセレブのようなタイプです。そして一緒にいる女性も、なんというかセレブぽい雰囲気を、ブランド云々じゃなく発散するタイプ。日本でいえば、伸芽会とかジャックとかに子どもを通わせている若ママのような人になるでしょうか(そういう人種についてまったく詳しくないので単なるイメージですが)。むろん女性も細身でした。
で、そういう人たちを見て、これまでとはまた違ったルックスを持つ富裕層中国人が現われたのか、と思ってしまったのですよ。富裕層が代を重ね、富裕層第二世代、第三世代になっているのかもしれません。
以前からアメリカ社会などでは貧困層=デブ、富裕層=細マッチョみたいなことが言われていました。が、アジアにおいてはその辺がわりに曖昧だったような気もします。ただ、三浦展さんなどは以前から日本における貧困肥満を指摘していて、確かに私が愛用しているような激安スーパーでは「そういう体形の人」が多いような気もしていました。
そうしたなか、中国の富裕層はインバウンドを見る限り基本的にデブだったところ、これまでとはまったく違ったルックスを有する富裕層が出現し始めた、と。今回、たまたまそういう例を目撃したに過ぎないのかもしれませんが、勝手にそういうことにしておいて、以下、論(?)を進めたいと思います。
「体形維持=成功の条件」は、儒教の価値観さえくつがえす!?
富裕層=成功者=細マッチョの図式(?)は、今回目撃した中国人の例に見るように、欧米人だけでなくアジア人にも適用されようとしています。この「中国人の例」というのは非常に大きな意味があると思うのです。
中国は紀元前から儒教社会であり、要は肉体労働を嫌う社会、軽蔑する社会だったわけですよね。富裕層は自分で身体を動かさないのが美徳だった。だからだいたいにおいて太っていた。むろん『三国志』などに出てくる英雄の武人は身体を鍛えていたのでそんなことはないでしょうけれど、ただし「文人のほうが武人よりも格上」もまた儒教の価値観です。
人類の歴史においては、長らく太っていることが富裕の証だったが、中国ではとくにそうで、それは儒教と結びついた文化でもあったと言えます。
そのような背景を有する中国人富裕層が細マッチョを指向し始めている。人類のなかでもっともデブ=富裕信仰があった中国人でさえ「デブあかん」になりつつある。それは、価値観や成功図式がグローバル化しているなか、体形維持も欧米同様、クラスを維持するための方策と考えられるようになったからなのでしょう。
でもって細マッチョを維持するためには食生活やスポーツなど自己管理が必要ですよね。そこで酒なのですが、今回、目撃した新・富裕層が酒を飲んでいないかと言えば、そんなことは分かりません。お高いシャンパンなどを飲んでいそうな気もします(想像力貧困)。
ただし、断酒ブログ的に言えば、というか現実にも、飲酒と体形はやっぱり関係があるのです。
酒をやめると、少なくとも内臓脂肪によるビール腹が解消するのは明らかであり(参考「内臓脂肪によるぽっこりお腹を「ビール腹」とはよく言ったもんだ」)、また酒を飲んでいると、やっぱり食欲スイッチに火が点いたりしますんで太り勝ちになるということも当然あるでしょう。そうしたなかで個人的に一番大きいのは時間だと思うのです。
体形維持あるいはシェイプアップのためには、トレーニングなどの時間を捻出する必要がある。そうするとやっぱり酒との親和性は良くないです。いつも書いていて恐縮ですが、酒さんの時間奪取能力は半端ないですから。
召使など他人になんでもやらせることを伝統&美徳としてきた儒教の徒である中国人富裕層でさえも、トレーニングばかりは自分でやらざるを得ない。そうすると時間が必要になる。世界のなかでの中国人富裕層のプレゼンスの大きさを考慮に入れると、酒と時間の関係が、全世界的にあらためてクローズアップされてもよいのではないか、ということを大阪で考えてしまった次第でございます。
カテゴリ別インデックスページはこちらです。