酒やめて、1141日。
飲酒時代、飲み友と飲むたびに「俺たちってどういう死に方するのかねー」といった話をよくしていました。それで、がんで死ねればいいねというのが大方の結論でした。
適度な飲酒は脳梗塞リスクを抑える!?
ご存じの通りがんは、日本人の死因第一位です。そしてがんで死ねればいいねは、脳血管疾患(死因第三位)=プッツン系では死にたくないねの裏返しでした。いや、プッツン系でも死ねればいいのですが、やはり後遺症が残ることを恐れていました。というのは、周囲に迷惑をかけつつ生きさらばえなければならないからです。当然、飲酒も制限、というか、まったく飲めなくなるでしょうし、その当時は「酒なくしてなんの人生ぞ」だったので、そんなことは考えたくもなかったのです。もちろん「プッツンで死ねればいいけど後遺症が残ったら……」とは、別にアル中や過飲酒でなくても、多くの人が思い抱くところでしょう。
ただし、脳梗塞リスクは適度な飲酒によって減るという、いわば伝説もあります。私の先輩にもいました。いや、血圧高いからさあ飲んでるんだよ、という人が。つまり飲酒は血管を広げて血圧を低くするという都合のいい理屈が、酒好きの間ではまかり通っています。
飲酒が本当に脳梗塞リスクを減らすのかどうかについては、わかっていないことが多いようです。この辺はまたぞろ素人の医学説法(?)になってしまい、SEO的にはまずいのかもしれませんが構わず書かせていただきます。
で、確かに飲酒習慣と脳梗塞リスクの関係についてはよくわからないところが多いのですが、一つだけ明らかなことがあります。それは、飲酒によって心房細動リスクが確実に高まることです。心房細動は、長嶋さんの脳梗塞を引き起こしたことでも有名になりましたが、不整脈の一種で、その名の通り、心臓が細かく震えるように鼓動する疾患です。そのとき微粒の泡ができ(ることもあり)、それが脳に上がって血管をつまらせるという理屈らしいです。
実は私は若い頃から不整脈などで健康診断に引っかかることが多く、生命保険などは割増をされてた時期もありました。いや、それ以前に子どもの頃、心房中隔欠損と診察されたこともあります(実際には心房が他人様より若干短いらしい……て、どうでもいいですね)。心臓については、自分の身体のなかのウイークポイントであると考えています。
ですから心房細動はやはりとてもこわいです。ましてやあの颯爽としていた長嶋さんが、あのような姿になってしまったことに、大きな衝撃を覚えていました。そういうわけで、飲酒と脳梗塞の関係はわからないにせよ、心房細動起因の脳梗塞を恐れ、定期的に医者に罹るようにはなっていました。
心房細動が起きても、もう後悔しない!
そうするとですね、月に一度程度ですが、まあ薬をあれやこれやいろいろもらうわけです。過飲酒であることは血液検査などでバレバレですから、肝臓の薬ももちろんもらいます。さらには、血圧降下剤(不正論文事件で有名になったあのディオバンですね)や痛風、高脂血症の薬などももらってました。そうするとやはり一ヶ月に8000円程度かかるのです。
つまりですね、酒を飲んでいる(飲みすぎている)という負い目があるからこそこういう出費を強いられていた、ということが言えると思うのです。そして酒をやめてから肝臓はじめ各種の数値が、悪玉コレステロール(LDL)以外は戻りましたので、薬はやめることにしました。それがいいことなのかどうなのか分かりませんが、もう薬要らずの身体になったと自分で強引に言い聞かせたのです。
心房細動についてはこれは仕方ないと思っています。リスクマネジメントするのは非常に難しいからです。単純に薬で防げるものでもないようですし。もちろん本などを読むと、防ぐ手立てはいろいろあるようです。ただ、図らずも長島さんの事例で、つまり元超一流アスリートで健康にも最大限に気を遣っていたであろう人でも起きることがわかり、リスクマネジメントなど無理、もうこれは運命と考えるしかないと一般人であるところの私は思うようになったのです。
というわけで、今はまったく医者に罹っていません。月に8000円程度まるまる浮いています。その節約ぶりは格安SIM化どころではありません。飲酒時代はこの8000円というところの金はせんべろに四回行ける、つまり「四せんべろ」でした(参考「「一せんべろ」「二せんべろ」という金銭感覚の怖さ」)が、今はもっと価値があります。一ヶ月8000円は、コンテンツ消費ならめちゃくちゃ使いでがありますからね。
誤解しないでほしいのは、酒やめたからといって医者に罹らなくていいかといえば、そんなことはありません。でも、繰り返しますが私はもう定期的に医者に行くのをやめました。身体的にも目一杯生きている自覚と自信があるからです。ちなみに精神的に目一杯生きていることは以前書いています(参考「酒やめて「わが人生に一片の悔いなし」を実感できた!」)。
今自分にできる最大のリスクマネジメントをやってるから、たとえ何が起ころうともう後悔しないという強い思いがあり、それが結果的に医者要らずになってます。逆に言えば、もし酒飲んでいて心房細動が起こり、そして後遺症が残ったら、私はめちゃ後悔したと思うのですよ。