FIREと飲酒習慣は徹底的に相性が悪いことを、ここであらためて確認しておきたいと思います。

酒やめて、1652日。

なぜ、FIREなるものがクローズアップされるかというと……

FIREという人生のスタイルが、ここにきて急速に持ち上げられています。財政的に独立してとっととリタイヤし、不労所得だけで生きていきましょうよというものですね。アメリカが発祥なのでしょう。

そもそもアメリカの若者などはもう昔から、これを目指して社会人のスタートを切っているといいます。そしてその象徴がピックアップトラックなのではないか、とも思います。ご存じのようにアメリカではフルサイズのピックアップトラックが売れ筋定番ですけれども、これは税金が安いこともあるでしょうが、やはりFIRE=悠々自適の象徴だからではないでしょうか。

余談を続ければ90年代の日本においては、ミニバンという形式のクルマが爆発的に流行しました。多人数乗車を必要とする家族だけでなく独身の若者もこぞってこれに乗ったのです。たとえばホンダ・オデッセイに子どもと子どもの友達と大型犬を乗せてキャンプに行く、みたいなライフスタイルが憧れの対象であり、その象徴がミニバンだったという気がしています。今考えれば。

でももう、そういうライフスタイルに憧れることが、日本ではかなり衰退していますよね。オデッセイが販売終了になるそうですが、なにか象徴的です。

さて、FIREです。まあアーリーリタイヤというのは確かに理想であり魅力的です。そうしたことをテーマにしたブログもよく見かけます。その一方で、年金不全を背景に、定年延長+副業解禁など死ぬまで働かなければならないという流れもあります。そしてこのFIREと「死ぬまで働け」は当然ながら表裏一体のものです。

日本人の人生を支えてきた終身雇用制がとうに崩れ、組織に忠誠を誓う意味もなくなっています(だから参加したくない飲み会に参加する意味も限りなく低下していますよねw)。そして自分の人生は自分で面倒を見なければいけない、何かにディペンドして生きるということができなくなっています。こうした社会構造の中で生きていくにあたっては、「松」がFIREで、「梅」が「死ぬまで働け」――年金だけでは足りずスーパーでのバイトなどが必要になり、自分の子どもの齢ほどのマネージャーに怒鳴られるというケースでしょう(そういうシーンを、安売りで有名な某スーパーで実際に目撃したことがあり、暗澹たる気持ちになりました)。極端な話、どちらを選ぶか、ということになっているのですよ。

「まーだ飲んでいるの?」をモチベーションにする!?

若い人は、今からなら「松」バージョン=FIREを目指すこともできるのですから、ある意味、チャンスかもしれません。今はiDeCoみたいな、税制上非常に優遇されている個人年金制度もありますしね。なにしろiDeCoは個人年金、つまり貯金と同じにも関わらず全額控除対象になり、「内部留保は税引き後の利益から行う」という経済経営の一大原則から外れているようにさえ見えます。控除限度額が生命保険と同じく5万円の個人年金を積み立ててきたジジイ世代からすれば、なんだそりゃあ、ですよ(苦笑)。

で、こうした制度では税収は低下します。でもあえて設定しているのは、もうこれまでの賦課方式の公的年金が相当に追い込まれているということでしょう。だから賦課式ではなく個人積み立て型に徐々に移行させたい。国からすると、いわば「身を斬らして骨を断つ」といった施策なのではないでしょうかと勝手に想像します。

そして、この国が胴元の積み立て型年金の超絶優遇策も、例の「二千万円貯めろやゴルァ」や定年延長や副業解禁などと同じ文脈でとらえられるものだと思います。自分でなんとかしなさいよ、の一環ですね。私なども、昔、同居していた女性から、将来的に子どもに迷惑をかけないよう、ホームの入居費用程度は自分で用意しとけよゴルァと厳命されているので、まったく他人事ではありません(苦笑)。

ともあれ「自分でなんとかしなさい」の時代です。では、どのようにしてたとえばFIREを目指すかというと、当然ながら、就業時間以外の、自分の自由になる時間をその設計に充て、経験を積んでいかなければなりません。投資にしても、あるいはYouTubeでもいいのでしょうけれども、永続的にお金を生み出してくれる仕組みをつくるには、それなりの時間と経験が必要です。そうすると、もうどう考えたって邪魔になるのは、そう! 酒ですねー(笑)。

ほんとにねー、いつも書いていますけれども、人類は今、ライフスタイルという点で、大きな変革期にいると思いますよ。一生懸命働いて疲れを癒すために酒を飲む、というスタイルから、一生懸命働いて働いてない時間は将来に対する布石を打つことに充てる、というふうに「変革」しつつあります。

そしてそれをこれから始めるんだったら、始めてない人、つまりいまだに酒で労働の疲れを癒している人を横目に、「まーだ飲んでいるよ(軽蔑)」と思いつつ、その屈折した(?)優越感をモチベーションにするのもいいかもしれません(笑)。

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