酒やめて、1152日。
ラバーガールのパワーポイントギャグが現実の仕事にも!
お笑い芸人のラバーガールのネタに「パワーポイント」というものがあります。以前は確かYouTubeでも見られたのですが、今この記事にアップするために探してみると消されているようです。なのでお笑いネタを文章で説明するという無粋きわまることをやってしまいますが、そうしないと話が前に進まないので無理くり説明させていただきます。
要は、大水(ラバーガールのボケ)が、自分が「先日の飲み会で突然帰ってしまった理由」をパワーポイントを使ってプレゼンするというものです。こんなふうに書いても面白くもなんともないのですが、口で言えば済むことをパワポで説明するというバカバカしさがネタのキモになっています。傑作ネタです。今、ラバーガールはネタの公式ちゃんねるへのアップを進めているようなので、いずれ視聴可能になると思います。
これはお笑いネタですが、実は同じようなことが今、社会のあちこちで起こっているそうで、パワポで説明しなくてもいいものでさえパワポを使って書類づくりをするようになってしまっているということですね。ご存じのようにパワポはプレゼン用ソフトなのですが、プレゼンしない書類までそれでつくってしまう傾向が見られるそうです。そしてそれは手間がかかり労働コスト的によろしくないということで、たとえばアマゾンなどは社としてパワポ禁止令を出したそうです。こうなってくるとシャレにならないですよね。
ラバーガールのパワポネタはずいぶん昔のものなのですが、このような「皮肉」にいちはやく着目した感覚、恐るべしです。
さて、実際にプレゼンをしないのに(スライド機能が必要ないのに)ビジュアル効果だけを求めてパワポで書類をつくることは、私でも仕事上よくあります。ワードと違って図同士が干渉しないのでやりやすいということは、皆さんもご経験あると思います。
ただ、これは私の例ですけれども、提出先の事情を忖度(?)し、パワポによるビジュアルバージョンとワードによる簡潔バージョンの二通企画書をつくったりすることもあります。無駄といえば無駄で、パワポ弊害と言えそうです。
もちろんパワーポイントには良いところもあります。自分の思考をビジュアル的にまとめられることですよね。今、流行りのデザイン思考のベースとなるマインドマップ、その初歩バージョンを作成できます。デザイン思考というものが、企画を主観的でなく客観的にまとめていく手法であることを考えると、(その必要がなくても)パワポでビジュアル企画書をつくるのも、無駄なこととは言えないかもです。
自分の頭のなかを「仕分け」できるようになった!
パワポ使いの是非はともかく、自分の考えをビジュアルを使って客観的にまとめていくことはやはり重要です。
デザイン思考のような高尚なものではないですが、仕事を発注してくれている会社の社長などは、会社(ワンフロアしかない)の模様替えをするにあたって、レイアウト図をエクセルでつくったりしてますもんね。ちなみに彼は非飲酒者です。
で、それをうれしそうに「どう思いますか」と見せられた飲酒時代の私は、こいつバカじゃねーの(失礼)と思っておりました。あるいはこいつ暇だよな、と。
そうなのですよ、この手の、ビジュアルを使った思考を行うにあたっては圧倒的に暇が必要なのです。ただしメリットもあることはこれまで書き連ねてきた通りです。繰り返しますが、自分の考え方を客観的にまとめられるということですね。
で、いつも書かせていただいているように、酒を飲むと暇というものがまったくなくなります。「人生において最低限やらなければならないこと(仕事含む)+酒」になるのです。アイドルタイムといったものが持つことができません(参考「酒やめて、アイドルタイム、アイドリングマインドの重要さに気がついた!」)。
なので、こいつ暇だよなあと思われる、あるいはそれはパワポで説明しなくてもでいいでしょうと思われるようなことができないのです。でもこれをやることは案外重要です。
私も酒をやめてから、仕事以外でのことでも重要な決断が求められるような場合は、マトリックスをパワポでつくってみたりとか、あるいはメリットとデメリットを貸借対照表ぽくまとめたりするようになりました(それはそれで結構、脳内快楽物質出してくれますし、むろん暇つぶしになります)。まさに、昔の私から見れば「暇だよな」「馬鹿じゃねーの」の世界です。
でもそれをやると、本当にしつこいようですが、客観的な判断ができ、その決断の成功率も高いような気もします。
逆に飲んでた時代はもうそんな時間はないのですから、とにかく直感ですべてを決めていました。しかもその直感というのも、いわゆる飲酒脳が発する信号です。当然のことながら失敗が圧倒的に多くなってしまいます。
まとめっぽいことを言わせていただければ、酒をやめると自分の決断についての材料をビジュアル化する暇ができる。案外こういうしたことが人生を良い方向に導いてくれるように思います。