酒やめて、2808日
「切り捨てられた民」化してしまうのがなによりも怖い
昨年ですが、Gigazineの記事に「認知症のリスクを90%も減らす「6つの健康的な生活習慣」とは?」がありました。6つとは、①健康的な食事、②定期的な運動、③活発な社会的接触、④定期的な認知活動、⑤非喫煙者であること、⑥お酒を飲まないことです。
当然のように飲酒は認知症の大きな要因であり、うちの父の主治医も、酒を飲むと認知症が一気に進むと強調しています。
認知症に似た症状に肝性脳症があり、なにしろ「肝性」と名前がついているくらいですから飲酒との相関関係は深いのですが、これについては明後日、取り上げさせていただきたいと思っております。
さて、日常の「あれ、俺、歯磨いたっけ」程度(?)のこともそうなのですが、そうしたことから「わしゃ飯食ったかのお?」に進み、そして一度、認知症と診断されてしまうと、結構厄介です。たとえば老人ホームには審査があり、認知症だと拒否されてしまう可能性があるからです。我々世代が集まると「親が認知症になる前にホームに入れよう」が合言葉になったりもします(親不幸)。
また、認知症以前に飲酒習慣も老人ホームに入る際の審査でマイナス要因になり、アル―コール依存症まで行かなくても「酒飲まないと眠れない」だったりすると拒否される可能性も高いのですけれども、これについては以前書かせていただきました(参考「飲酒習慣があると、老人ホームにも入れないという衝撃の事実!」)。
今は人手不足を背景に、特養、有料老人ホームといった種別を問わず、最低限の人数で運営しているのが普通で、そうした現場においてリスク要因は抱えられないことは、もはや構造的なものになっています。介護業界の働き方改革が進めば、ますます認知症やアルコール依存症は「切り捨てられた民」になるでしょう。
そうした「切り捨てられた民」がどのようになってしまうかといえば、おそらく精神科なのでしょうが、上手く入院できるかどうかも未知数です。
この辺もお金がたっぷりあればなんとかなるのかもしれませんが、これから老後を迎える我々世代は、私も含めてそのようにいかない人がこれまでよりも増えるでしょうし、子どもに負担をかけたくないと考えると、やっぱり冒頭の六つを意識する必要があります。
そういえば子どもの頃、よく親や先生から「〇〇病院に入院させるよ!」とか「黄色い救急車に連れていかれるよ!」などと言われていましたけど、今度は自分の子どもからそういうことを言われる可能性もあるわけで、なかなか因果なことではあります。もっともうちの子は「パパ、勝手に死んで」というスタンス(?)なので、そうした心配(すら)ないのですが(苦笑)。
認知症までいかなくても脳の劣化はヤバいです
認知症まではいかなくても、齢を食うと先の「歯、磨いたかな」じゃないですけど、認知症のきざしが見えるというか、脳の性能が落ちてくるのは厳然たる事実です。
先日も同年代の仕事仲間と話していたのですが、やっぱり「ヌカリ」「ザル」みたいなことが多くなってきます。で、どうするかというと、今まで以上に入念に丁寧にやる。それしか方法はないわけですよ。
そしてそれには時間がかかります。「入念」「丁寧」を時間で担保するわけですが、飲酒習慣があるとその時間による担保ということが難しくなってしまいます。なにしろ酒の時間強奪能力が半端ないですから。
酒は、認知症の要因になる、脳の性能を劣化させる。さらに、その脳の性能劣化をカバーするのに必要な「時間」を奪う。二重の意味で「死ぬまで働け」の時代にそぐわなくなっている。なので今後、酒を飲むか飲まんかという判断の意味もますます重くなると確信している次第であります。
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