高校時代の探究学習そしてSDGsで、大学生の飲酒習慣はどう変わるのか。

酒やめて、1156日。

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いよいよ新学期です。しかし都内はコロナ危機で、始業式からいきなり五月の連休まで休校のようですね。

高校生がSDGsを「じぶんごと」にする!

本来であれば、2020年というのは、学校教育にとって大きな意味を持つ年になるはずでした。小学校の英語教科化やプログラミング必須化など、戦後の学習指導要領の中でもエポックメーキングな変革が行われるからです。これは来年度からの中学校の新しい指導要領、再来年度からの高校の指導要領につながっていきます。

その22年度からの高校の指導要領では、「探究」という視点が導入されることが大きなポイントになっています。今までの学校での勉強といえば、先生の話を聞いてひたすら板書するスタイルでしたが、自らテーマを設定し、そのテーマについて自ら調べ研究し発表するというスタイルの学びが行われます。この視点は、いわゆる教科学習にも用いられますが、とりあえず、すでに昨年度から「総合的な学習な時間」が「総合的な探究の時間」と名前を変え、ここでこのような学びを実施しています。

で、そのテーマなのですが、これはSDGsに求められること多いようです。ご存じの通りSDGsは、国連が策定した、世界が今後持続可能であるために達成しなければならない17の目標です。それについて高校生のうちから「じぶんごと」として考えていこうというわけです。

それにしてもこのSDGs、コロナさえなければ、今年の流行語大賞の有力候補となっていたと思うのですが……。

ではなぜ探究学習のテーマがSDGsに求められるのか。テーマは自由でいいはずです。たとえば「お父さんが日曜日は必ず朝からお酒を飲んでどこにも連れてってくれません。どうしたらいいでしょうか」でも良いのではと思います(参考「親の過飲酒は、子どもの経験チャンスを奪う」)。

そうした卑近な(?)テーマではなく、SDGsという世界の課題を考えるのは、若い高校生にとって社会貢献につながることが大きな学習モチベーションになるからだといいます。世界の誰かを救うために自分が勉強する、という仕組みは、若い心をおおいに動かすそうです。そしてSDGsドネーション、つまり日本の高校生が一生懸命学ぶことによって恵まれない海外の子たちを学校に行けるようにするシステムも始まるようです。画期的であることは間違いありません。

ひるがえって自分の若いときを考えると、うーんと考えこんでしまいますねー、やっぱり(笑)。「シャカイコウケンナニソレタベラレルノ」レベルだったことは間違いありません。では当時、何が勉強するモチベーションになっていたかというと「大学行ったら好きなだけ遊べる」でした。そう振り返ってみると、今の若者の資質は変わってきている……というよりも、我々世代と同じメンタリティの人と、そこから進化した人とに分化していると言っていいでしょう(参考「酒をやめて気づいたこと。人類はもしかしたら分化し始めている!?」)。

飲まなければ「新しい人類」と付き合っていける!?

で、ですね、私が考えるのは、こうした進化した人たちが大学生になったときに、どのような生き方をするのだろうということです。高校生のときから世界の課題に心を馳せてき人たちですね。そうした人たちは酒という、非常に俗なもの(笑)にどう関わっていくのだろうか、と。

従来、大学入学は実質酒解禁でもありました。お酒は20歳からというけれども18歳から飲むのが、少なくとも私たちの年代では普通でした。私の場合は受験勉強時代から問題集の横に瓶ビールを置いて、わからないとまず一杯飲むといった体たらくでしたけど。

で、今、大学生と話をすると、あるいはうちの子の大学時代を考えても、飲めば飲むほどエラいみたいな風潮は我々の世代と変わらずにあるようです。とにかく酒デビューしたら最初はとにかくがんがん飲むというパターンですね。通過儀礼なのかもしれません。

その一方で以前も書きましたが、文化祭などではお酒を出せないのが一般的になっていますし、早稲田大が伝統の大隈講堂前飲み、通称「隈飲み」禁止(というよりもキャンパス内全域禁酒)を打ち出したことも話題になりました。

これなんか画期的なことですよね。我々の大学時代は、中央大八王子キャンパスの学食にはビールが置いてあると聞いて、いいよなあ中央はわかってるよあ、と大変うらやましく思っていました。調べると、今でもそのようですね。また東大の食堂は3時から飲めるとか。飲酒時代だったら絶対行っていましたね。余談ながら私は安田講堂改築前の地下の食堂に何度か行ったことがありますが(酒出しているとは知りませんでした)、客層はといえば、東大関係者と思われる人以外がほとんどなので、おっさんが東大昼飲みしていても不自然ではなかったと思います(笑)。

さてSDGsを学んだ世代の話に戻れば、そうした人たちが大学生になったとき、どうなるのか。今までのような「イッキイッキ」(もちろんご法度で、先ほどの早大のキャンパス全面禁止もこうしたことを受けてのことですが)的な価値観で飲んでいくのか、それとも、SDGs的な視点を用いてこれまでとはまったく違う価値観でお酒と付き合っていくのか。

どうもその辺が、その大学生が社会人になったとき自己実現できるかどうかということにも関わってきそうな気もします。

そしておっさん視点から見れば、ゆくゆくはそういう人たち、つまり高校時代から世界の課題を「じぶんごと」にしてきてその観点からお酒を飲む飲まないを決めている人たちと付き合っていくわけです。お酒を飲まなければ価値観を共有できそうですし、実は私が断酒を継続できている理由もその辺にもあるのです。

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