酒やめて、1065日。
以前にも書きましたが、日本は酒が安すぎます(「とにかく日本は酒が安すぎるんだよ、という件」)。ですから簡単にアル中になれます。その典型がストロングゼロをはじめとしたストロング系チューハイですね。昨日もそのヤバさについて触れさせていただきました(「ストロングゼロは貧者の核兵器にもなり得る、恐ろしい戦略物資ではないかという仮説」)。
飲む大学生でいるか、飲まない大学生になるか
しかしながらストロングゼロは、大学生の間でもかなりプレゼンスを持っているようです。宅飲みするならストゼロかな、という大学生は結構いますもんね。
一方で酒を飲まない大学生も増えています。そして飲まない時間は結構有意義に使っているのではないかと、断酒者としては都合よく推測するわけです。なにしろ若いときの「時間」というものは、将来に対するエフェクションがものすごーく大きいですからね。本当に貴重です。それを酒に使うか、それとも……では、当然ですが、後々大きく変わってきます。自分のことを振り返れば、酒で貴重な時間を空費してしまったなあとやっぱり後悔しますよ。
ただ、我々の若い頃は、それでも酒を飲むことが、わりに実効性のある強さにもなってたようにも思います。これも「都合よく」考えれば、ですけどね。少なくとも文系男子に限っていえば、営業職だったら酒が飲めた方が良いという側面はありました。お客さんとも酒飲みながら打ち解けるといった、ある種の信仰は根強かったですし。私がいた業界の場合、酒に強いだけで仕事ができるというふうになんとなく認定されていたのも事実です。
「なんとなく」では通じ合わない時代にあって
ただしもうお察しの通りこれからはまったく違います。思考力の時代です。クリティカルシンキング、ロジカルシンキングなどとよく言われますが、考えて考えてさらに考える人間だけが生き残っていける、そして社会のなかで自己実現できます。
もちろん「考える」だけではだめで、これプラス熱量が必要です。この二つを兼ね備えていることが、これからの若者にとって本当に必要になると思います。
そうするとですね、普通に考えてもわかるように酒が邪魔になるんですよ。思考力という点ではもちろんですが、熱量という点においても、です。
というのは、熱量の高さは思いの強さですが、それ以上に実行力です。そして何かをやろうとしたときに、酒を飲んでるとやる気がなくなるのはもちろん、時間も酒にとられてしまうのがとても痛い。実行力とは準備の緻密さであり作業量の多さですからね。
これまでは、あるいはちょっと前までは、酒飲みながらのコミュニケーションによる「一発逆転」もあるいはあったかもしれない。でももうそんな時代じゃない。世の中から「なんとなく」「フィーリング」が廃され、すべてにエビデンスが求められています。
本当に、酒を飲んでる場合じゃないんですね。2020年はそれをますます感じることでしょう。
だからおっさんからすれば、ストゼロ飲んでる若者を見るにつけ不安な気持ちにもなります。こんなに時代が変わっているのに、おっさんたちが大学生だった時代そのまんまじゃないか、と思ってしまうのです。何もできないけれどせめて自分が断酒することで、多少は背中を見せたいな、と。老婆心ならぬ老爺心ながら(笑)。