酒やめて、1015日。
私は断酒友に「アル中と多重債務者だとどっちが終わってるかね?」と訊いてみたことがあります。なぜそんなことを訊いたかといえば、ふたりの共通の先輩で、自称・適正飲酒者から「お前はアル中だ!」とよく言われていたからです。まあもっともなことなのですが、ただその人は、いわゆる多重債務者だったので冒頭のような質問を発するに至ったわけです。
アル中者は世間のヘイトにさらされている!?
断酒友の答えは「そりゃアル中でしょ」でした。そのココロはといえば、多重債務は自己破産という方法で解決できるからです。解決法に飛び道具があるわけですね。
ちなみに自己破産しても個人情報は固く守られます。今年の春に破産者マップ事件というものが起きました。今、これを書くときに調べたら、ウィキペディアにもなってるんですね。結構社会的インパクトがあったということです。
知らない方のために簡単に説明すれば、誰かが自己破産者の住所を官報から引き出してGoogle マップに示し公開したところ、プライバシーの侵害とのことですぐに削除された事件です。
一方、アル中というかアルコール依存症はどうかといえば、そこまでは守られていないと感じてしまいます。もちろん、アル中者所在マップなるものなどないのですが、ただ日常生活では、先の先輩から「アル中だろ」と言われてしまうように、たびたびヘイト(大げさ?)を受けます。それは、やっぱりだらしないからとか、そういうふうな意識が世間全般にあるからでしょう。原因は人それぞれで、本人のせいではないケースもあるのにもかかわらず、です。もっとも私の場合は、100パーセント本人起因ですが(汗)。
しかし、ですよ。自己破産者だって、もしかしたらキャバクラ通いが嵩じて、という人だっているかもしれません。てか、当然いるでしょう。それでも守られているのです。アルコール依存症とは、何という違いでしょうか。
酒を飲んでいると、時代に乗り遅れる!?
さて、多重債務に自己破産という飛び道具が使えると記しましたが、アルコール依存症の解消、つまり断酒には飛び道具がありません。もう「いい」と思うあの手この手をやってみるしかないのです。私もそうしてきました。
ですから非常におこがましいのですが、こうしたブログも、そのあの手この手のなかのささいな一手になれば嬉しく思います。
で、私の場合、ポイントになったのは、ざっくり言えば新しい時代に乗り遅れたくないという思いです。
時代はたぶんおおげさでなく、明治維新以来の変革を迎えようとしています。そして若い世代は、そうした時代とともに自分の人生を切り開いていこうとしている。おっさんだってそれに乗り遅れたくない、一緒に新しい時代に踏み出したいという思いがあります。
そのベースには、おこがましいようですが、我々の世代が、80年代のバブル絶頂へと向かう時期の文化の担い手だったという自負というか自慢というか、そういうものがあるからです。
ですから私の断酒の最大のモチベーションは、誰にでも適用できるわけではないと思います。ただ繰り返しますが、断酒には、いいと思ったことすべてやる、という姿勢が絶対に必要です。そのうちのひとつととらえていただければ幸いなのです。