酒やめて、2622日
水原一平氏ははたして「嘘」をついていたのか
大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏の賭博疑惑ですが、大谷選手が知っていたのか知らなかったのか、真相はよくわからないですね。大谷選手が知ってて助けたという方が大谷選手らしい気もするのですが、それだと賭博に関与していたことになり、選手生命にも影響があるそうで。
ただ水原氏が発言を翻したことや勝手に口座からお金を引き出したかもしれないことについて、「(ギャンブル)依存症だから嘘をつく」で説明されている側面もあります。この「依存症は嘘つき」について、私も同意する部分もあればどうなのかなという部分もあり、その点ちょっと書かせていただきたいのです。
依存症の中でもアルコール依存の場合、「嘘」という局面には段階があると思うんですよ。まず最初は、嘘つきというよりはプリテンドです。いつも書いていますが、飲んでいるけれどもきちんと仕事をしているという主張をする。私もそうでした。これも広い意味では嘘の範疇に入るのかもしれません。
次に来る行動には、2パターンあると思います。①飲んでいるけれども飲んでいないふりをする、②飲んでいるよどこが悪いんだと開き直る。で、私は②でした。
この①と②のどちらに進むかというと、それは社会的な立場に拠ります。
水原氏のような社会的な地位もあるケースでは、ギャンブルと酒の違いはあれど、①になる、あるいは①しか選択肢がないのでしょう。
やっぱり「酒飲むと疲れる」のだった
でも私のような人間は②になったりもします(できます)。社会的なポジションが低いのでそれでも許される(ホントは許されないけど)ということなのですが、ただなぜ②を選ぶかというとラクだからです。そらそうですよね。刑事「さあ、吐いてしまえ、吐いたらラクになるぞ」理論です。
ただしそれができるかどうかは、繰り返しますが置かれた立場に拠ります。そして②の場合では、行きつく先は「破滅」になります。①でもそうですが、②だと「あっという間」でしょう。だから引き返さなくてはならない――というのも立場や状況に拠るでしょうね。「アル中になる自由がある」人(世代)は別に引き返さなくてもいいわけですから。ただ、これまたいつも書いていて恐縮ですが、そういう層は限りなくシュリンクしているのが今の日本でしょう。
そして②のケースでも、それはそれでやはり細かいところで嘘をついたり、プリテンドしなければならず、これはこれで結構、エネルギー使うんですよ。①のケースではもっとでしょう。それで普通に仕事をしていた水原氏の精神力たるやすごいものがあると思いますよ。
で、酒をやめた今となっては、酒を飲まないのが一番ラクです。
なぜならば人生すべてにわたって、肩肘張ることなく率直に、すなわち嘘をつくことなく、プリテンドすることもなく生きられるからです。
あーいや、しかしこんなにラクになるとは思わなかったですよ。ホントに重い荷物を下ろした気分です。
そして水原さんはやはり重い荷物、すなわち依存症を取り繕うための諸々を背負って生きてきたんだろうなあ、辛かっただろうなあと考えてしまうのであります。
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