今の人類を宇宙人の視点で見てみると、いろいろ言い得ておもしろいという話。

酒やめて、1138日。

宇宙人から見ると、人類は二種類いる!?

井沢元彦さんの『逆説の世界史1』の冒頭部分に以下のような興味深い話が載っています。

ここで宇宙人の視点に立ってみよう。

ここに一つの惑星がある。

惑星上には知的生命体として人類(ホモ・サピエンス)なるものがおり、その人類には外見的特徴として表面(皮膚)の色の違いはある。だが、それ以外には種を分けるほどの顕著な特徴は見出せない。脳髄の大きさも、ホモ・サピエンス同士では差異は見られない。

しかし、その中に「人種(主に皮膚の色)の違いで知的能力に優劣がある」と信じているグループと、「そんなことはあり得ない」と認めているグループがあったとしよう。

宇宙人はその格付けをどうするのだろうか?

報告書にはこう書くだろう。

「この惑星には、まったく科学的には根拠のない迷信を信じ、それに基づいて行動している知的レベルの低い人類と、そういう迷信を既に脱却している人類の二つのグループがある」

井沢氏は「迷信を既に脱出している人類」を「第二種人類」と規定しています。

そして本ブログでは、宇宙人から見たら、人類には酒を飲む人間と飲まない人間がいるって話をしたいのであります。これは今の時代、存外に大きな意味を持つのではないかと。

もちろんこのブログは自分が断酒を続けるため、あるいは世の中の断酒者、あるいは断酒を志す方のお役に立とうと思い書いているので、当然のことながら我田引水的な理論(?)を展開しています。しかし、そのような視点を離れても、もはや酒を飲む人間が、黒人差別をする人と同じように時代遅れになりつつあるのは事実なのではないでしょうか。

「飲酒の歴史」が終わろうとしている!?

理由は二つあります。ひとつはやはりここにきて、少量でも健康に害を及ぼすのが明らかになったことです。人類の歴史とともにあった酒ですが、最新の研究成果では、飲まないのが一番良いという結論にほぼなっています(参照「「酒は百薬の長」のはずでは? 少量でもNGの最新事情」/類似記事はたくさんあります)。

ある意味、一大転機ですよね。先の井沢氏の著作に記してあったことなのですが、人類がビールをつくるようになった、つまり「飲める」ようになったのは紀元前4000年頃で、シュメールからエジプトに伝わったのだそうです。その一世紀ほど前に始まった農耕が定着し、食べる分は十分に確保できるようになったので、余剰分がビールになったのだといいます。井沢氏は、自身がビール好きだから言うわけでないと断った上で(笑)、これを画期的なこととしています。なぜなら、人間社会に「スコーレ=余暇」が生まれたわけで、「スコーレ」が「スクール」の語源になったことでもわかるように、その余暇が勉強することを可能とし、それが人間社会を大きく発展させたからです。それにしても、暇ができたからちょっと勉強してみようとか、昔の人は偉かった!

で、それから六千年後の今、アルコールが危険薬物にも等しいということ広く認識されはじめました。ネットの発達によってアルコール起因の社会問題があっという間に広がっているのもその一局面であり、多くの人がそれに気がついてしまっています。

さらにそのアルコールの社会的な問題を象徴するような飲み物――そう、ストロングゼロが、アル中・過飲酒業界(?)のみならず一般でも話題になり、その存在が内包するおそろしさが指摘されています。つまり9パーセントの高アルコールの酒がきわめて安く、RTDで飲めてしまい、社会全体の貧困化とあいまってそれが「福祉」になっていることは、もう社会問題といっていいほどです。

さらに外的要因もあります。理想のように喧伝されていたグローバル化、ボーダーレス化のほころびが目立ちはじめる一方、AI社会の到来も間近に迫っています。さらにここにきてコロナパンデミックで、おおげさではなく人類全体にとって最適解とは何かということが問われているのです。

そうした状況のなか、一言で言えばもう酒を飲んでる場合じゃないということなのですが、酒を飲む飲まないが、人間としての一つの分岐点になりつつある。断酒者的にはそんな予感もしています。

実際今、宇宙人が来たら以下のような感想を漏らすのではないでしょうか。

「この惑星には、科学的には危険薬物と認定され、理性と健康に重大な影響を及ぼす飲料を常飲する知的レベルの低い人類と、そういう次元を既に脱却している人類の二つのグループがある」

そう。断酒者は第二種人類なのです。そう思う優越感も断酒のモチベーションになりますね! 偉そうなことを書き連ねたわりには、自分ファースト、自分たち断酒者ファーストな結論になってしまいましたが(笑)。

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