酒やめて、3134日
脳関係の医師は口を揃えて「飲酒NG!」
先日、修理に出していた父のメガネができたので、眼鏡屋さんが中に入っているショッピングセンターに一緒に行きました。父は老人ホームに入居しているのですが、たまには連れ出したほうが気分転換にもなるだろうということで。
ショッピングセンターなので、いろいろご飯屋さんがあるわけですよ。赤ちょうちんふうな店もあります。でもって父はそういうところを見ると飲みたがります。
と、ここで私事ながら(個人ブログなので当たり前ですが)状況を説明しておくと、現在、父は禁酒を言い渡されております。それに至るまでにはいろんないきさつあったのですが、そこのところは省くとして、ともかく、今かかっている脳神経内科のお医者さんによれば、酒を飲むと一気に認知が進んでしまうとのことです。
このあたりのことも何度も取り上げていますが、脳関係の医師は口を揃えて「酒はNG!」と言いますね。それ以外の診療科の医師のなかには「少しぐらいなら」と言う人がいるのとは対照的です。これは、身体的にはともかく、こと脳に対しては酒は「絶対悪」であることのなによりの証拠でしょう。
さて、認知が進むと、何が困るって、老人ホームを追い出されてしまうリスクがあることです。民間の老人ホームは、お酒も通常禁止であるし、認知が進みすぎた入居者は病院への入院を勧められるというのが一般的なパターンです。
精神科に入院だけは避けたいのだった
じゃあその病院とはどこかというと、精神科、ですね。そうなっている高齢者も多いと思われます。
でもって私としては絶対にそういうふうにはさせたくないのですね。老人ホームで一生を終えて欲しい。だから、父に飲ませるわけにはいかんのです。
ちなみに、私はとある有名な精神病院の近所で育ち、昭和のこととて「患者が鎖に繋がれている」だの「夜な夜な、喚き声が聞こえる」みたいな話は、それこそ毎日のように聞いておりました。そしてなにかあると、教師や親から「黄色い救急車に連れて行かれるよ」と脅されました。小学校時代の友人で集まると必ずそういう話題が出ます。みんな還暦過ぎているというのに、三つ子の魂百までです。
なので私にとっては、その精神病院の存在はかなりのトラウマであり、自分自身、酒をやめるときにそこのアルコール外来いいよ、と友人から勧められたりもしたのですが、行ったら最後、鎖に繋がれるんじゃないかという恐怖があり、やめたのでした。
今はもちろんそんなこともないでしょうし、当時もなかったのかもしれませんけれども、とにかくそうした背景(?)もあって、父を精神科には絶対に入院をさせたくない。鎖につながれることはなくても、何かあったら拘束着を着せることを容認する書面にサインさせられるなんて聞きますから。そして、精神科行きとさせないためには、酒を飲ませないことが絶対条件になります。
でも本人は飲みたがるわけです。そうした時に切り札になるのが、「親父が飲めないんだから、俺も飲まないことに決めたから」というフレーズです。
むろん私が飲まないのは、父につきあっているわけではないのですが、一応そういうことにしております。申し訳ありません。
しかし、この「俺も飲まない」は最強のカードです。そのように言うと、冒頭のショッピングセンターのご飯屋さんにおいても、飲むのは諦めてノンアルにすることになりました。
このように認知症の父を抱えている身としては、このカードは結構使えるなあというのが実際のところであります。むろん、この「俺も飲まないから」は、そのほかのさまざまなシーンでも使えるのではないか。これもまた断酒の一局面であります。
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