「要らない」が定着する世の中で、酒の「要らない」度はどの程度だろう?

酒やめて、1290日。

「要らない」ものがたくさんあるよね、が世の常識に

以前、断酒ブームについて書かせていただきました(参考「「断酒ブーム」「しらふブーム」マジでキター! なのでしょうか」)。断酒ブームが来ているのか来ていないのか、断酒ブログ的には「キター!」としたいのですが、そしてエビデンスもないこともないのですが、実際のところはわかりません。

酒が社会に、あるいは人生に「要る」のか「要らない」のか、議論のあるところだと思います。ただし今、世の中にあるいろんなものが「要らないんじゃね?」というムーヴメントは確実に来ている、というよりもう定着しつつありますよね。

それは、社会構造の変化とともに価値観も変わり、長年「要る」とされてきたものが、社会の実態にそぐわなくなっていることでもあります。

たとえば、お中元お歳暮の類です。もちろん純粋に感謝の気持ちの表現でもあり、この部分では残っていくでしょう。しかしたとえば会社の上司などにお中元お歳暮を贈る行為は、雇用が不安定になっている今、あまり意味のないものになっているのではないでしょうか。

私のことを言えば、確かに今でも会社員時代の上司数人には毎年贈っていますが、それはバブル時代が含まれていることもあり、ゴチになった推定金額があまりにも膨大なので、なんというかその空恐ろしさゆえです。これは「贖罪(?)」であって「今後ともよしなに」ではありません。

年賀状にもそういう側面はあるでしょうね。あるいはクルマや家など、いわゆる若者の〇〇離れに属するものも「要らない」の範疇かもしれません。

まあクルマも家も、損得計算すれば馬鹿馬鹿しいです。家については、持ち家か賃貸か、よく議論されますが、実勢価格と路線価がこれまで乖離していたところ、今はそれが縮まっており、それに伴い路線価で決定される固定資産税の割高感が高まっています。ちゃんと計算すれば、そして今後少子化などで住宅需要が先細りになることを考えれば、持ち家も決定的に「要らない」のではないか、と個人的には思っています(参考「「酒飲まない」は、持ち家よりも強力な人生の武器になる!?」)。

まあそんなふうに、昔は絶対必要だと信じられていたのに、社会の変化とともに「要らない」になっているものは、すごーくたくさんありますよね。

ギャンブルやタバコに至ってはもう社会的使命を終えているのかもしれません。「パチンカス」「ヤニカス」などという言葉がありますが(失礼)、そうした言葉が生まれること自体、かなりマイナーな存在になっている証拠だと思います。

酒「要らない」は社会的必然だと考える

さて、よく固定費の見直しが家計改善の第一歩だと言われます。だから、とくに携帯代と保険が取り上げられ、保険は「要る」「要らない」議論になったりしています。

そんななかで、宅配新聞やNHKが「要らない」になるのは当然でしょう。それをこれまでいわば押し売りしてきたんだから罪が重いと思いますよ。しかも、新入学生などを狙い撃ちしているのだからタチが悪いです。

ちなみにそうした「要らない」ものを押し付けられそうな学生さんは、「スミマセン、ニホンゴ、ワカラナイ」と留学生のふりをするか、英語、中国語など自分が勉強している語学で対応するのが一番いいです。

で、ここで注目したいのは、酒が固定費であることです(参考「いくら安く飲めるからといって酒は「固定費」になってしまうから怖いのだ」)。アル中に限らず飲酒習慣が身に付いてしまうと、毎日の酒代の確保ということが、もうマジで人生の至上課題になってしまいます。「お父さん、給食費だけは持って行っちゃダメええええ」の世界に突入するのです。携帯や保険以上の「固定費」になるということですね。

ですから、酒「要らない」は、当然ながら固定費見直しの一環です。

また昨日も書いたように、働き方のスタイルが変化し、その中でも酒は「要らない」、というよりも酒を飲んでいたら人生の足を引っ張られるといったことにもなりつつあります(参考「もう働き方そのものが、飲酒とは親和性がとても低くなってるよね、という話」)。

ですから「要らない」ブームの中で捉えてみると、酒の「要らない」度というのはやっぱりかなり高いんじゃないですかねえと思いますよ。

社会の激変、価値観の変化とともに「要る」「要らない」の見直しや判断が誰にも迫られていることは事実でしょう。その中で、本当にこの先、酒飲んでいて大丈夫だろうか? と考える人が増えている。もし「断酒ブーム」があるとすれば、そういう背景があるのかもしれませんし、そんなふうに半ば強引に考えてしまうのも断酒モチベーションになるのではないかと。

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