酒やめて、2466日
なぜ外国人は日本に来ると路上で飲むのか
今年もハロウィンがやってきましたが、渋谷での大騒ぎは例年に比べるとおとなしめだったと伝えられています。路上飲酒が禁止されたことも功を奏したとか。そして諸外国では路上……というか屋外での飲酒を禁止しているということもよく引き合いに出されます。
ただ、これについて私が不思議に思うのは、日本にやってきている外国人はわりに路上飲酒しています。もうずいぶん昔ですが、日本でテレフォンカード(懐!)を売っていたイラン人もよく公園や路上で飲んでいましたし、私もご一緒したことが何度かあります。イランはシーア派が多数派を占め、スンニ派のように飲酒に厳格ではないといいますが、しかし本国では大っぴらにというわけにいかないのでしょうから日本に来て羽目を外したくなったのかもしれません。
この辺の事情は欧米人も同じようで、やっぱり電車のホームなどでウイスキーをラッパ飲みしている人を何度か見たことがあります(ご一緒したことはない)。
来日外国人にとって、日本は飲酒天国だという認識で捉えられているものと思われます。
つまり本国では路上で飲まないと思われる人も日本では飲む。だから諸外国で屋外飲酒が禁止なのは、宗教戒律で禁じている国を除けば、習慣や伝統やメンタリティに基づくものではなく、ある意味、政策的なものだということですよね。
ではなぜ、多くの国で(政策的に)屋外飲酒を禁止しているのかといえば、アル中が多いからだそうです。酒で問題を起こしがちな人が多く、酒が凶器となってしまう。一方、日本人はじめ東洋人の場合は、いわゆる下戸遺伝子を持っていて飲み過ぎたらつぶれてしまうので、問題があまり顕在化しないのかもしれません。いや、もちろん、路上で酔いつぶれたら「問題」ですが。
ただ、下戸遺伝子を持っていない民族の場合、酒を飲むのを禁ずることは、野外で拳銃発砲を禁ずることに近いものがある。少なくとも、施政者サイドはそう認識しているのでしょう。
飲まないZ世代がもたらす日本の繁栄!?
日本は飲酒に非常に甘い国ですが、それはアル中が少ない、酒が凶器あるいは狂気のトリガーになる人間が少ないからなのかもしれません。そして以前も書いたようにZ世代においては酒と距離を置く人間が多くなっているので、この傾向はますます強くなっていくでしょう。
で、ですね、このまま推移していけば国力的にかなりのアドバンテージになると思うのですよ。
というのは、いつもこのブログでも書いていて恐縮ですが、AI化やICT化を背景としてコンピュータのアルゴリズムにお付き合いするには、粘り強さというか、流行の言葉で言えばGRITが必要になってくるからです。このGRITと飲酒は徹底的に相性が悪い。これはもう私が身をもって体験していることであります。
今、AI化やICT化に乗り遅れている感もある日本ですが、もともとアル中が多くなかったことに加え、これからを担うZ世代の飲酒離れなど、ますます飲まない社会になりつつあるので、もう一度繁栄するのかなあと期待したいところでもあるのです。
財務省も酒税ばかりに目を向けずに、大好きな「サステナブル」(な富国)という観点から飲酒を考えた方がいいと思うのですけれども……。
そしてそうした社会のなかで、飲んでいる人はますます……、ですよね。
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