酒やめて、2442日
ビッグイベントがないと息とまっちゃう!?
2030年札幌オリンピックの招致が中止となりました。それに伴い北海道新幹線の札幌伸長も延期になったそうで、開通したら乗りに行きたいなあと思っていた鉄オタ的には非常に残念でありますが、そういう問題ではありませんよね。
招致断念した一つの要因として東京オリンピックにまつわる様々な問題がトラウマになっていたこともあったと思います(ざっくり)。そして札幌の方はどうか分かりませんが、一般的な日本人の感情としては「よかった」なのでしょう。ついでに2025大阪万博は開催決定ですが、これについても「どうすんねん」という感情が多くの方のものとしてありそうです。
それにしても日本という国は、この手のビッグイベントがめちゃ好きですよね。ビッグイベントがないと息ができない社会構造になっていて、やらざる得ない側面もあると思われます(ざっくり)。
またそうした「好き」のベースに1964東京オリンピックと1970大阪万博の大成功があることは、ざっくりな感想ではなく厳たる事実でしょう。一度の強烈な成功体験がその後を支配してしまう典型的な例です。
上記のオリンピックや万博は高度経済成長をさらに加速させるジャンプボードになったり、新幹線をはじめとしたインフラを残したといったこと以外にも、一般人も大歓迎して一緒に祝っていたという点でも大成功だったと思います。
私の世代では新幹線に初めて乗ったのが大阪万博だったという人間は非常に多く、もちろん私もそうでした。あの年の夏休みの宿題の作文のテーマは、鉄オタに限らずほとんどの男子が「新幹線」だった。万博じゃなくて。
ビギナーズラックが社会と人生を壊す!?
でもってそんな強烈な最初の成功体験ですが、酒さんも実はそれをもたらしてくれたりもします。
以前も書いていますけれども、私の場合だと、恩師のお嬢さんの結婚式の司会を頼まれ、プレッシャーがかかる中、酒を飲んでやったら上手くいってしまった! みたいなことです(参考「物事に真面目に対処しようとすればするほど、酒にとらえられてしまう罠」)。一緒にしちゃいかんですが中島らもさんの『今夜、すべてのバーで』にも、主人公のライターが酒飲んで原稿書いたらすらすら書けた、みたいな「成功体験」が出てきます。
で、これも、いつもいつもで恐縮ですが酒さんの戦略ですよね。最初にビギナーズラックみたいなものを与えてしまう。そして俺がいると上手くいくやろ〜と囁きかけて、さらにどんどん飲ませようとする。
が、それは最初だけのことです。ちょうどビッグイベントが、最初だけ日本社会全体に利益をもたらし、その後は日本社会を毀損していったように。そして、アルコール依存になっていく過程も、ビッグイベントを必要とするような構造に日本社会が魔改造されていった過程と非常によく似ている気がします。
ビギナーズラックから始まる破滅は、ギャンブルや覚せい剤なども同じでしょう。そういえば奥田英朗著『オリンピックの身代金』にも、ヒロポン打って上手くやった、みたいな「成功体験」も出てきますし。
と、そんなことをオリンピック招致断念に接して考えた断酒erなのでありました。
カテゴリ別インデックスページはこちらです。