酒やめて、3064日
一日中誰とも話さなくて、なんか問題ある!?
先日、大学時代のゼミ友と話す機会がありました。彼は、新卒で就職した会社を早期退職し転職したのですが、その職場に馴染めず病んでしまった結果、そこもさっさと辞め、結果的に60歳前で完全リタイヤしたというパターンです。
今は、一人で家で、さすがに昼からは酒飲まないけど、悠々自適というか暇でしょうがないというか、そういう生活を送っているそうです。奥様はいるのですが、まだ若くバリバリ働いていて、昼間はまったくの「ぼっち」らしいのですね。
なので、私のような者でも会ってもらえたりするのですが、私が「いや、俺が今飲んでいて、そういう身分になったら絶対毎日昼から、いや朝から飲んじゃうね」と宣言(?)したら、それは何とか歯を食いしばって我慢しているとのことです(笑)。
ともあれ「そういう身分」を彼は楽しんでいて、横浜の土地持ちなのでそういうクソ舐めた生活もできるのでしょうか、一日中、誰ともしゃべらないこともよくあるそうです(奥様が帰ってくる前に寝るらしいw)。
わかるわかる、俺もそうだよ、と私は言いました。そして二人の結論(?)としては、別にそれって苦痛じゃないよなあ、となったのです。
酒って「腐れ縁」を生んでくれるよね
今、世間では、中高年男性が誰ともしゃべらない生活をするのがヤバい、みたいな風潮があります。なんでも、そうした「孤独」は寿命を大きく縮めるそうです。確かに先々ヤバいかもしれないけれども、とりあえず今は、そっちの方がいいです。
そっちの方がいいというのは、ゼミ友がまさに転職先で病んでしまったように、コミュニケーションで嫌な思いをするのだったら、もう一日、誰ともしゃべらないほうが全然いいもんねーてなもんですよ。
よく、酒をやめるとコミュニケーションがなくなるから怖い、みたいな指摘もあります。
そこは、嫌なコミュニケーションと楽しいコミュニケーションを分けて考える必要があるでしょう。「酒やめると……」の場合、当然、楽しいコミュニケーションがなくなるから怖いというわけです。そしてそうした側面もあるにはある。
ただ、酒飲む習慣があると、おうおうにして、嫌なコミュニケーションまで抱え込んでしまうのですよ。嫌な思いをするリスクがあるコミュニケーションということですね。飲んでいると気持ちがセンシティブになるので、なおさらです。
この辺のことは人にもよるのでしょうが、少なくとも私は酒をやめて、人生全般から「嫌な思い」がめちゃ減りました。嫌な人間関係を抱え込まなくなったからであり、一つの要因として酒の席が減ったことがあります。「酒の席」があると、それは案外に、人生全般の付き合いになったりもするのです。それで仕事が生まれたり建設的な方向に働けばいいけれど、案外そんなことはなく、腐れ縁になりがちです。
むろん、酒をやめると、「楽」しいコミュニケーションも減り、それはコインの裏表ですが、ただ、私は「嫌」がシュリンクするほうを優先したいし(今から考えれば、だが)、それでよかったと考えています。
このあたりは私の個人的な経験上から書いていることに過ぎないのですが、ただし「誰とも話さない」は、よく言われるように「絶対悪」ではないということを言いたいのであります。
と、ここまで書いてきて気づいたのですが、酒をやめてコミュニケーションが減るのが怖いではなくて、コミュニケーション(「楽」「嫌」ともに)を減らしたいから酒をやめるという方法もあるのかなあ、と。現役バリバリで仕事をしている人でも、酒をやめれば「酒席」が減るだけでなく、仕事上もクールな付き合いに徹することができるというふうにも言えると思います。
と、ここまででさらに気づいたのですが、そういうことを指向するタイプの人間は、もうとっくにやめている、あるいは最初から飲まないのかもしれません。と、さらに気づいたのが、もともとコミュニケーションが苦手な人間が酒を飲むとろくなことにならない、あー昔の私がまさにそのパターンやったな、とあらためて思い至るのであります(汗)。
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