日本人特有の不安遺伝子とアルコールの関係を、元アル中→断酒者として考察してみるに。

酒やめて、1418日。

災害の多さが日本人特有の遺伝子をかたちづくった!?

いつぞや脳科学者の中野信子さんが、日本人には特有の不安遺伝子があるということをテレビで言われてました。なぜそうなったかといえば、日本は災害が多い国なので、不安を持っている人、前途に悲観的な人の方が生存確率が高かったという説明がなされました。

なるほど~と、納得してしまいましたねー。ただ、もちろんその不安が、いわゆるリスクマネジメントなら良いのですが、そうではなくて漠然とした不安になってしまうと、やっぱりちょっと問題ですよね。なぜなら、そうです! そういう不安はおうおうにして飲酒行為に結び付き、そうすると肝心のリスクマネジメントができなくなってしまうからです。

ともあれ、将来に対して不安があるから酒を飲むという行動は非常にありがちで、私もまったくもってそうでした。自慢することじゃないですが(汗)。

かのユーミン様も歌ってますよね、♪不安な明日をダブルで飲み干す(参照「街角のペシミスト」)って。まさにこれは日本人特有の行動パターンなのかもしれません。日本人はみんな「街角のペシミスト」なのですな。

さて、その一方で日本人は酒に弱いとされています。日本人だけじゃなくて東洋人全般ですが、アセトアルデヒドの分解酵素の活性が弱い人の割合が多いらしいです(活性がまったくない人もいて、そういう人はそもそも酒飲まないから、むしろ幸せですよね。元アル中からすれば)。また、そうした酒に弱い人の生存確率が高かかったのでそうなったという説もあり、それもやはり災害が多いことと関係しているのでしょう。このブログでも幾度か言及しましたが「酒飲まない」は非常時に強いのです。

まあそんなこんなで、「日本人」がかたちづくられてきたのでしょうが、もちろんウイークポイントでもあり、日本人の不安遺伝子と酒に弱い民族体質が「×」になると悲劇を導きがち、と考えても良いのではないでしょうか。ですから、日本人だから酒飲まないという選択もある気もします。

「正しくおそれる」ために酒は要らんよ

不安を紛らわすために酒を飲むと、脳がますます悲観的な考え方をするようになっていくことは、個人的な経験上絶対ありますし、断酒友もそうだと言っています。そしてさらに酒を飲む、というパターンですね。いつも書いていて恐縮ですが、酒には、そうしたマッチポンプをつくり出す悪質さがあります。

酒を飲まないと、そのような「悪の輪廻」(大げさ)から解脱することができます。将来を無用に不安に思うことがなくなるのです。そりゃそうですよね、不安な明日を飲み干せないのだから、楽観的にならざるを得ないのです。

ではこれと、冒頭に述べた不安遺伝子を持つ人間の生存適性理論(?)はバッティングするかというと、その辺は私にはのような者には分かりません。ただ、やっぱりそこは、昔はそうだったけど、今の時代、そしてこれからは……ということになるのでしょう。

現代的なリスクマネジメントは、流行りの言葉でいえば「正しくおそれる」ことでしょう。それは、闇雲に不安がることと対極にあります。

このことは、メディアを一つの物差しにして考えればよくわかります。

今回のコロナ禍において、メディアは不安を煽りに煽りました。そしてそれが、必要以上に社会を停滞させた側面はありますよね。

なぜメディアがそうしたかといえば、冒頭に記した日本人特有の「不安遺伝子」に向けて発信するのが、伝統的な手法だったからでしょう。しかし今回、そうしたメディアに乗せられた人は、さまざまな「不安」に上手く対処できなかったのではないでしょうか。サバイバルというと大げさですが、やはりいたずらに不安になることなく、自分で考え「正しくおそれた」人が、コロナ禍をサバイブできたし、これからもできると思います。

とすれば、いたずらに不安を煽るという点では、メディアとまったく同じ性格を有する酒にのせられないことが、コロナ禍とその先を上手く生きていくための必要条件かもしれませんね。断酒者理論といわれれば、その通りですと言うしかありませんが(苦笑)。

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