酒やめて、2872日
出張のときくらい飲ませてくれよ!?
大昔ですが東海道新幹線が開業する前、在来線の東海道線には電車特急こだま号が走り、東京大阪を6時間半で結んでました。ということは、これで大阪まで行くと日中の時間が潰れてしまうので、こだま号にはビジネスデスクという仕事ができる机が備わっていました。ただし利用者はほとんどいなかったそうです。
このことが何を意味するのかというと、そのこだま号に乗るビジネスマンは打ち合わせや会議、陳情なども含め「人と会う」ことを大きな目的としていて、事務作業などは必要なかった、あるいはしたくなかったということです。
むろん移動中くらいは休ませてくれよ、酒を飲ましてくれよということもあったでしょう。昔は、出張に出かけ、出張先でその日のうちに人と会う用事があったとしても、電車の中で一杯くらいならオッケーというのが社会通念……、と私は勝手に理解していました。
ところがときは移り、人と会う前の飲酒がNGになのはもちろん、電車内飲酒でさえなかなかはばかられるようになり、その一方で、かつてのこだま号のビジネスデスクの現代版とも言える「S work車両」が新幹線に連結されていて、利用した人の話を聞くとなかなか良いそうです。
むろん通常の席にも電源が完備され、パソコンを開いて仕事をするのが当たり前のようになっています。仕事におけるすきま時間活用ですよね。ちなみに新幹線の中で仕事をしている人を見ると、これはもうLet’sNoteが圧倒的なシェア(?)を占めています。ここがスタバとの大きな違いでしょう。うちの娘などは「会社がLet’sNoteしか支給してくれねえんだよ」とバチあたりなことを言っていますが、そうした事情もあるのかもしれません。
ともあれ新幹線などで移動する際、すなわちすきま時間で仕事をすることは、以前に比べて重要になっている……というよりも、それがICT化などでしやすくなっているのはもちろん、仕事の構造的にもそこで「(成否が)決まる」というふうになっていると言っていいのではないでしょうか。
それがたとえば電車の場合、「ビジネスデスクは利用されない」から「S work車両が重宝される」への一大転換として顕われています。
すきま時間活用はサバイバル条件だったりする!?
すきま時間で決まる――。実はこれって大昔にも聞いたことがあります。こだま号時代じゃないけれども、昭和の薄汚い高校生であるところの私の受験勉強時代がそうで、すきま時間に単語を3つでも覚えろとかってよく言われていました。
ところが私はそんなのたりぃよと思っていた愚か者であり、それが酒を飲むようになって、ますますすきま時間活用というものとは離れてしまいました。すきま時間があれば酒を飲みたいということもあったのですが、飲めない状況であっても、やっぱり常に頭がグタっとしているので気力がわかないのですよ。そうすると、受験勉強において大差が出てくるのと同じように仕事においても大差が出てきます。当然ながら。
とくに仕事の場合、前倒しということとすきま時間活用が非常に密接に関係します。と、こんなことを言うのも今さら感満載なのですが、しかし私はこの齢になって今さらのようにそれが理解できているというていたらくではあります。
ともあれ、前倒しでできればクオリティを上げることができますし、ジジイ仕事にありがちな「ぬかり」や「ザル」を防ぐこともでき、要は、仕事を失わないためのサバイバル条件のようにもなります。
ことほどかように重要なすきま時間活用が、今はできるようになった(ホントに今さら、ですが)というのはやっぱり意味があることですし、逆に言えば今まで無駄にしてきたすきま時間に思いをはせることもまた断酒継続モチベーションになったりするのでございます。
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