酒やめて、1080日。
私の友人で元飲み友に、通称「LEON●●」と呼ばれている人間がいます。その名の通り、風体がファッション雑誌LEONに出てくるイケてるオヤジにそっくりというわけです。
昔はサンバクラブやキャステルに出入りしていたのに……
彼もまたアル中一歩手前のような人間です。でも、たとえば蒲田のせんべろで一緒に立ち飲みしようてなことで待ち合わせると、一分の隙もないLEONな格好でやって来るんですよね(笑)。ジャケットからシルクのポケットチーフを盛大に出し、腕にはロレックス、そして足元はサントーニのブーツだったりします。
で、ですね。そういう格好でせんべろに来ちゃう彼の気持ちが、私はなんだかとてもよくわかるんです。風体で俺はアル中じゃないぞと主張しているのです。本人に確かめたわけじゃないですが。
以前も書きましたが(参考「否認するよりも認めたほうがよっぽどラク。認めるよりもやめたほうがさらにラク」)、アル中というとどうしても昼から飲んだくれてる赤ら顔で歯がない汚いオヤジみたいな姿を想像します。こういうのをドヤ街アル中というんだそうです。そして、俺はそういうドヤ街アル中にはならないぞという強い決意表明が、ロレックスだったりサントーニになったりするのですよ。
まあしかし、件のLEON男は、昔はサンバクラブやキャステル(ともに六本木にあった超高級ディスコ)に出入りしていた元遊び人なのに、今や(というかちょっと昔ですが)私なんかと一緒に蒲田のせんべろですからねー。それだけでそれがどういうことなのか、わかってもよさそうなものなのに(笑)。
ともあれ、そのような事情は私も同じでした。私はロレックスやサントーニを身につける経済的な余裕はありませんが、ただやっぱり服装だけはきちっとしたいとは思っていました。アル中になればなるほど、です。だから普通のビジネス用のシャツだけでなくカジュアルシャツもクリーニングに出したりしてました。あと、靴は鏡面磨きでズボンのプレスラインはいつもびしっと、みたいなことに異常こだわっていました。一生懸命、ドヤ街アル中から逃げてるわけですよ。
やっぱり酒飲むのは疲れるよ、が結論!?
白鳥は優雅に泳いでいるように見えても水面下では懸命に足を動かしている、なんてよく言われますが(嘘らしいですけど)それみたいなもんですね。てか、そんないいもんじゃないか。悪く言えば、風体の自転車操業です。
つまりですね、もうアル中だということは周囲にわかってますので、それ以外のことでは絶対に隙を見せないぞーみたいな、そーゆーなんというか要らん意識が異常なほどに高まってくるんです。当然のごとく疲れます。このことひとつとっても、酒を飲むのにいかにエネルギーを使うかがわかります。
ですからこのブログでも書き連ねているように、私の場合、酒を飲むのも疲れるよ、酒を飲むのにまつわるいろんなことをしなければいけないのはもっと疲れるよ、ということが、とても大きな断酒モチベーションになっています。
なんにせよ、アル中でもう身なりにさえ構わなくなったらおしまいみたいなことは言われますが、身なりに必要以上にがんばりすぎちゃうのも危険な兆候ですよ(笑)。