超絶安く飲めるなら断酒の意味も薄まる!? いやいや、そんなことはないと思いますよ。

酒やめて、1750日。

1時間500円で飲み放題ですと!?

先日、街を歩いておりましたら、元アル中の心の琴線に触れるビジュアルが視界の隅に入ってきたので見てみると、居酒屋の前に「飲み放題60分500円~」との立て看板があるじゃないすか。ひええええええ! であります。ついにここまで来たのかあ! という感じですねー。飲み放題の中身は分かりませんし「~」が何を意味するのかも定かではないけれども、ただ、このように書いてあるということは、どういうかたちであれ500円で1時間飲めるわけですよ。夢のようです。どうして私のアル中時代にこれをやらんかったんかあああという思いを強くします。

コロナが猛威を振るっていた頃から、街を見渡すに、飲み放題のハードルはどんどん下がっており、お店の苦労のほども偲ばれます(参考「博多にて、元アル中が思う。アル中への入り口が、こんなにカジュアルになっていいもんなんか!?」)。そして禁足令が解けた今、一気にお客さんを呼び戻す起爆剤にしようという考えなのでしょう。

さて、このブログではお酒をやめると時間がわさわさ湧いてくるということをしつこいくらい言ってきましたし、それと同時にお金も湧いてくるということにも言及してきました。

お金に関して言えば、飲んでいる時は飲み最優先の消費生活をしていて、それが住宅ローンや子どもの学費などと同じような、あるいはそれをしのぐ「固定費」になるから怖いのだという話もいつもさせていただいている通りです。そうしたことを恐れて、あるいは単純にお金をセーブしたいからといった目的でお酒をやめる人も当然多いでしょう。

ただそのような観点から見ると、冒頭で記したような飲み放題の超絶安さは、その目的(?)に水を差すようではあります。もちろんストロングゼロのような宅飲み用の安い酒の存在も含めて、です。

安く飲めるからセーフ、てなもんじゃないでしょう

とにかく今、めちゃ安く飲める事態が現出しています。で、断酒ブログ的にはこれはまずいのかどうなのか。もちろん、いくら酒が安く飲めようが、「断酒による経済的効果には関係ない」という立場を取りたいところのものではあります。

つまり安く飲めるからといってそういう問題じゃないやろー、てのが断酒者としての立場(?)であり、「そういう問題じゃないやろー」を検証してみたいと思います。我ながら暇かついじましいことではありますが。ただ、切実なことでもあります(苦笑)。

そもそも飲酒の時間奪取能力は半端ないですから、それをお金に換算したら相当なものになるということが一つあります。ただ、そうした時間との絡みを持ち出すと話が多岐にわたってしまうので、とりあえずそこのところは措いておきたいと思います(次回書くつもりです)。

で、確かに安く飲めれば、ましてや「一時間500円」みたいな超絶的な趣向であれば、その時に使うお金の絶対額は少ないです。ただ、酒による脳の損傷ということを考えてみたらどうでしょうか。

これまたこのブログでも度々申し上げておりますが、少量飲酒でも習慣化すると脳(の能力)がどんどん毀損されることは明らかになっています(参照「適量のアルコールでも脳には悪影響が 海馬の萎縮リスクが3倍以上に」)。そしてまたぞろ申し訳ありませんが、死ぬまで働け、少なくとも75歳まで働け、の時代ですよ。そうしたところに持ってきて脳が毀損されていると、すなわち稼げないということになりますよね。

繰り返しますが、たとえば「飲み放題60分500円~」のようなシステムで、そのときに使うお金がたとえ500円だろうが、そこで飲んでしまうと、その分、脳が毀損され、将来の稼げるお金をそこで消費するのも同然ではないか! ということを私としては言いたかったのであります。断酒者ご都合と指摘されればそうですねと応えるしかありませんが、死ぬまで働けの時代においては案外に意味を持つ視点かと。

逆に言えば、そこでお酒を飲まなかったら、それは脳が無事だったという意味で、将来的に稼げるであろうお金を貯金したも同様……ということになります。私がTwitter上で勝手に断酒仲間認定させていただいている「はるこsober-curious」さんが以下のようなツイートをしていましたが、まさにその通りだと思います。

と、そのように考察を進めると、安く飲める現況が断酒の経済的メリットを低下させるわけでもなんでもないことがわかります。そう自分で自分を納得させてもいいのではないか、と思う次第です。いや、別に、安いでえウェーイと飲んでいる人に何を申し上げるつもりはないのですけど。

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