酒飲まない人大勝利~♪ のエビデンスがまた一つ。今度のはかなり強力のようです。

酒やめて、1832日。

「適正飲酒量」は残酷なほど少ない!?

イギリス(アングリア・ラスキン大学)の最新の研究結果で、ついに(?)「量関係なく飲酒は身体に良くない」という結果が出たそうです(参照「適量の飲酒は健康にいい」説は間違い、「どんな量でも飲酒は心臓の健康を害する」ことが35万人超の調査結果で判明」)。伝えたのは、Gigazineです。このメディアは、以前には「ストーンヘンジは医療装置だった!(参照「ストーンヘンジが何のために作られたかほぼ判明か」)」といった記事を掲載したこともあり、なんだか学術ニュースサイトの東スポ感もあるのですが、断酒者の味方のような記事をよく掲載してくれます。

この記事では、飲む量をパイントで記しています。パイントという単位は今でもイギリスのパブなどでは一般的に使われているそうです。リットルに直すと568ml。古い単位は人間基準だと言いますので、おそらくちょうど良くほろ酔いになる基準として設けられたのではないかと勝手に考えています。クラフトビールブームで一気に一般的になった感もありますね。一方、メートル・リットル法は地球という絶対的なものを基準にしているので、「人間の感覚」とはズレることもあるのでしょう。

さて、日本の厚生労働省も「飲んでいい基準」を定めています。このブログでも度々触れていますが、一応おさらいしておくと純アルコール量20g、ビールなら500ml缶1本程度となります。ただし、これは「多すぎ」というのが昨今の研究での定説です。今は、許容できるのは純アルコール量10g程度。すみません、このあたりはこのブログでも書いている時期によって数値が異なっていたりもしますので、以下を現時点での「決定稿」とさせていただきます。

●日本の厚生労働省基準

純アルコール量20g=アルコール分5%のビールなら500ml(ロング缶1本)

※純アルコール量は飲料に含まれるアルコール×0.8で計算

●イギリスの基準(上記記事から筆者算出)

1日に2単位=アルコール分5%のビールなら568ml(パイントグラス一杯)

●最新の研究による基準

純アルコール量10g=アルコール分5%のビールなら250ml(350ml缶2/3本)

まあ本当にいつも書いていて恐縮ですが、こんなんやったら飲まんほうがラクやあああ!な数値ですよ。ちなみにこのブログに度々登場(?)する自称適正飲酒者は、毎晩、焼酎のお湯割りを二杯飲むそうですが、大変余計なお世話ながら計算してみると、

焼酎グラス1杯300ml×0.9(純容量)×0.6(焼酎の量)×0.20(度数)×0.8(純アルコール換算)×2(杯数)=51.84g(純アルコール量)

となり、どのような基準に照らしても大幅オーバーで、な~にが「オレは適正飲酒( -`д-´)キリッ」だよ、という感じでねー。ま、私の場合は上記計算式でいくと、飲酒時代は毎日250g以上摂取していたのですから、なにをかいわんや、ですが(苦笑)。

実は「適正飲酒」などというものは存在しなかったのだ!

でもって日本の厚生労働省のホームページを見ると、「飲んでいい量」のほかに「飲酒とJカーブ」についても触れています。実は死亡の相対リスクは「ちょっと飲んでいる」人のほうが少ないらしいのです。どういうことかというと、飲む量を横軸、死亡の相対リスクを縦軸に取ると、リスクは、「まったく飲まない=0」から、アルコール消費量が男性なら「10~19g」、女性なら「0~9g」のゾーンに向けて一旦下がり、再び上昇する、つまり「J」型になるというものです(下グラフ参照)。これはわりにずっと信頼されてきたものと言えます。まあ、酒飲みには都合いいですよね(苦笑)。

厚生労働省ホームページより

私の友人のお父上でも、少しくらい飲んだほうがいいんだ血管が広がって血圧が下がるんだみたいなことを言っている方はいます。で、私も飲酒時代は「ですよねー♪」と、こりゃいいこと聞いた状態でした。

ただし、この「少しだけ飲む人はかえって健康」との調査結果については、なんらかの身体的不調ゆえにまったく飲まないという人も母数に含んでいるのではないか、と指摘する声がネット上では以前からありました。前出の記事が紹介した研究は、このあたりのあいまいさを排除した上で、まったく飲まない方がいいとしているのです。

話が前後してすみませんが、冒頭の記事で研究されているのは、心血管疾患と飲酒の関係についてです。一方、下のグラフを見ていただきたいのですが、厚生労働省が「Jカーブ」、すなわち「ちょっと飲んだほうがいい」としているのは、(C)の虚血性心疾患・脳梗塞・2型糖尿病などです。その他は正比例、あるいは指数関数的なリスクの増大を示しています。でも高血圧(A)は脳梗塞(C)の重大要因なのに、この矛盾した二つのグラフはなんなのよ、という感じです。ともあれ今回、心臓疾患に関する「Jカーブ」が否定されたのですから、病気別で「Jカーブ」が許容されていた、その大きな一角が崩れたと断言してもいいでしょう。

厚生労働省ホームページより

ですから、要は「適正飲酒者」という存在はマボロシだったということです。特別な日に乾杯だけ、という真正機会飲酒者は別なんでしょうけど。

でもって、こと脳にとってはほんの少しの酒でも良くないことは、以前から知られていました。少しでも飲むと、その分だけ確実に海馬が萎縮する。これは常識になりつつあります。そこへ持ってきて首から下の身体、とくに心臓がそうであることが明らかになったわけです。飲まない人大勝利~♪ の世の中の幕開けとも言えそうです。

ま、アル中→断酒者が「飲まない人」を代表して、このようにきいたふうなことを言うのは傲慢かつ鼻持ちならないことではありますが(汗)。はなから飲まない人は、たぶんこんなもん読んでないということで。

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