酒やめて、2810日
肝臓で処理しきれないアルコールは脳に行く!?
飲酒者の中には「俺はガンマGTPの数値が正常だから、いくら飲んでも大丈夫( -`д-´)キリッ」な人がいます。こういう人はエリート肝臓の持ち主とされ、実は依存症に一番なりやすい体質だということも今ではよく知られています。断酒大先輩のまんきつさんもそうだったとか。
私の場合は、飲酒時代のガンマは普通に200を超えていましたし、アル中末期は800を超えるという状態だったので(威張ることじゃないが)、エリート肝臓の持ち主ではないのですが、ただ「200時代」は、いくら飲んでも大丈夫感はありました。顔にも出なかったです。「800時代」になるとさすがに弱くなっていましたが、こりゃすぐに気持ちよくなって金もかからんしええわ、と思っていたので愚かさの極みではございます。
さて、エリート肝臓の持ち主であっても脳はどんどん毀損されていき、むろん認知症の重大な要因にもなります。だから先のアルコール依存症リスクとあわせて、エリート肝臓の持ち主であることは決して喜ばしくはないのですが、もう一つのパターンがあるのですね。
それは「俺は1日二杯しか飲めないから大丈夫( -`д-´)キリッ」です。そういう人はエリート肝臓の持ち主とは真逆で、酔ってすぐに顔が赤くなり、それで十分になる。だから大丈夫というのが論法(?)です。
実は、こういうことをやたら主張する、つまり「俺は毎日少量しか飲まないからずっと飲み続けられる。お前と違って」ということを常々言っている人間を知っているのですが、本当にそうなのかを余計なお世話ながら考えてみたいのです(性格悪い)。
結論から言えば、これも「ヤバい」です。
というのは、昨日もちらっと触れましたけれども、肝性脳症というものがあるからです。
これも例によってGigazineの記事(「認知症と診断された人の約13%が実際は「治療可能な肝臓の病気」かもしれないという研究結果」)で知ったのですが、要は肝臓で分解されない毒素が脳に行くということですね。顔に出るのは「分解されていない」証拠ですし、顔が赤くなった分、どんどん脳が劣化しているのでしょう。先の人間の場合、メールの文章も「ろれつが回わってない」感があるので、加齢もあるけど酒の影響もあると思われます。
なので、すぐ赤くなるからお酒は嫌いという人はともかく、すぐに赤くなるけど酒は好きというパターンはマジでヤバいです。
「変態飲み」をさせてしまう酒さんの魔力
余談ながら、酒を飲んだ翌朝、絶望的な気分になるのは幸せホルモンのセロトニンが生成されないからで、なぜされないかというと肝臓がアルコール分解に必死でそこまで手が回らないからといったこともよく知られていますが、そう考えるとやっぱり肝臓さんの働きはほんとにすごいですよ。「肝心要」とはよく言ったものです。
それはともかく、上記のように考えると、酒さんの魔の手から逃れられるのは、まったく飲まない人、あるいは「乾杯だけ」の本当の機会飲酒者のみということになり、なんらかのかたちで習慣化している人は肝臓が強かろうが二杯しか飲めなかろうが、オールアウトという結論になります。そしてこの弊害は加齢とともに顕在化するのが、「死ぬまで働け」の世の中で怖いところであります。
と、自分の性格の悪さも露呈させながら、このようなことを書き連ねてきたわけですが、こうしたことを確認するのは断酒モチベーションになります。
一方、飲酒モチベーションのことを考えてみると、私などは、たとえば肝硬変の写真などを見ながら変態飲みしていたりしたのですが(『今夜、すべてのバーで』にも似たようなシーンが出てくるので、私が変態というよりも、ある程度、アル中に共通したことなのでしょう)、そのようなものを見ても酒がやめられなかったというところに酒の魔力のようなものを感じます。そして、このこともあわせてあらためて確認しておきたいと思います。
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