適正飲酒者、機会飲酒者への見果てぬ夢。

酒やめて、1209日。

適正飲酒を夢見ても、それは一日缶ビール1本でもNGという悲報

数日前に、適正飲酒者、機会飲酒者にはなれないしなりたくもないといった話を書かせていただきました(参考「適正飲酒者・機会飲酒者にはなれない大いなる自信があるから、一周回ってスリップしない自信もまたあるという話」)。まあそうなのですよ。もし私が再飲酒するとしたら、ほんとにパッパラパーなアル中的な飲み方しかしたくないのです。そして破滅に向かう自分を楽しみたいのです。今のところ、それよりも「現世」のほうが心地よいので、断酒を続けられているわけで(笑)。

しかし多くの断酒者が再飲酒の誘惑にかられるとき、今度こそ適正に飲めるんじゃないかと思ったりするそうです。

でもですね、皆さんご存じですか。適正飲酒というのは、今ではものすごーく基準が低くなってるんですよ。それは、三日に350ミリリットル缶ビール2本ほどだそうです(参考「上原浩治の「ビール二本で我慢」をどう捉えるか」)。一日、缶ビール1本も飲めないのです!

まさに、丸谷才一先生の名言「キリスト様だってそんな残酷なことは言わなかった」を地で行く基準であります。

ただし、こういう飲み方をしている限り、むしろ長生きできるというデータもあります。長寿のカリスマ・日野原重明先生などは一日に本当にちょっとだけ召し上がっていたとか。

やっぱり再飲酒はまったく割りに合わない!

ただそういう飲み方って、そもそも一般人にできるものなんでしょうかという素にして朴な疑問があります。パッパラパーに飲みたい私としてはとくに、です。

たとえば私の父のことを考えてみます。彼はもう八十も半ばですが、毎晩、缶ビールロング缶1本と25度焼酎のお湯割りを2杯飲みます。

私からすればよくそんなもので我慢できるなと思うのですが、ただ、先の適正飲酒の基準からすれば、あきらかに飲みすぎです。

毎晩このぐらい飲めて、それが一生続けられるのであれば、まあ何とか妥協(?)できる人も大勢いるでしょう(私には無理ですが)。それでも「適正」を大幅に超過してしまうんです。

何度も恐縮ですが、今や適正飲酒とは「一日に350ミリリットル缶ビール0.7本程度」になっています。それ以上飲んだら、肝機能低下ばかりでなく認知症のトリガーになると言われています。

飲んでも大丈夫かなー、飲みたいなーと思ったときに、でも適正量はこれだよというふうに呈示されたら、多くの元アル中→断酒者は思い留まるのではないでしょうか。

そんな少量の酒で酔えるわけもないし、まったく楽しくありません。

そしてここからが重要なのですが、そんな少量の酒のために、そのままスリップしてまた元のアル中に戻ってしまうリスクを抱えてしまうのです。こんな割りに合わない取引はないです。まさに「キリスト様でも……」の世界であります。

こうした事例(?)に代表されるように、酒に関していえば、割に合わないことが多すぎます。それが今、科学的に、医学的にどんどん証明されつつあるということですよね。いよいよ人類全般が、酒との付き合い方を全面的に考えなおさなきゃいけなくなっているのかもしれません。

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