酒やめて、3074日
恵まれた世代は「飲まない」!?
一つ前のエントリーで、「「毎日飲む」が少数派になっていることに驚く」といったことを書かせていただきました。酒量が減り、毎日飲まなくなった、家では飲まなくなったという人間は案外に多くて、それはある意味、人間の摂理なのかもしれません。
ただ、これには条件があるように思うのです。一つは先のエントリでも触れた通り身体的なもので、酒に対する耐性ができていないということですね。もう一つが今回のテーマ(?)で、すなわち、ちゃんとした人生……と言うのもヘンですが、普通に勤め上げ、資産もそこそこ築き、老後もとりあえず安心みたいなことだと思います。
そして私の周囲にわりにそうした人間が多いのは、やっぱり恵まれた世代だからでしょう。組織に定年まで勤められた最後の世代であり、したがって、そのような人生設計が可能になった最後の世代だと言えるかもしれません。
しかし私は残念ながら、恵まれた世代であるのに関わらず、人生ハードモードになってしまったのですね。
ハードモードになる要因のうち酒が占める割合は?
そこから論を進めると、結構恐ろしい事実が浮かび上がってきます。とまあ、そんなふうに大げさに言うまでもなく、当たり前ちゃ当たり前のことで、何を今さらマターかもしれませんけれども、ただ、老いを迎えるに当たってめちゃ実感している次第です。それは以下のようなことです。
人間の酒量が減るのは自然の摂理である。にも関わらず、齢を食ってからも毎日飲む、家で飲む、もっと言えば、齢を食ってから酒量が増えるのは、やはりそれは人生ハードモードになっているからでしょう。
実際、恵まれた世代にも関わらず、ハードモードに陥る人間は私を含めているわけですよ。
多くは、若いうちに独立した場合です。そうすると、当然ながら上手くいかないときもある。そこで酒に頼るようになり、やがて酒なしではいられなくなる。要は酒が手段ではなく目的化するのです。
むろん「酒でも飲まなきゃやってられねー」は組織人にもあるでしょうが、独立してフリーランスである場合、非常にしやすくなります。
このあたりは個人の性格にもよるでしょうが、ともあれ人生ハードモードに陥ると、齢を食っても、「毎日飲む」「家でも飲む」という習慣から抜け切れない。少なくともそういう傾向が強くなる。
ここに、人生の分かれ目があると思います。
ただし大逆転も可能なわけで、それはやはり酒をやめるという結論にあいなります。
というかオンリーワン(=私)エビデンスですが、やっぱり私の場合でも、酒を飲まないという一点を以てしてハードモードは脱せたと思います。いろんな状況が重なったりしたということもありますが、しかしやっぱり大きい。
逆に言えば、酒さんは人生ハードモードにつけ込んでくる。酒さんは「ハードモードな状況は、とりあえず考えなくてええんやでえ」と言ってくる。
そうこうしているうちに、たとえば不況など外的要因で始まったハードモードな人生も、やがて酒がその演出(?)に大きな役割を果たすようになる。
その「真実」が、酒をやめるとはっきりと見えてきて、恐ろしさに震える次第です。
原則として火曜日と金曜日の19時に更新しています。
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